不動産や自動車などの財産分与はいつの時点の価格で計算するの?
ちょっと難しいですが、興味があったら読んでみてください。
財産分与でときどき問題になることですが、土地や建物や自動車の財産分与はいつの時点の価格で計算するの?という問題があります。
1 普通の財産分与
財産分与は、ようするに「夫婦で作った財産はきちんと分けようよ」ということですか ら、普通は、「夫婦で財産を作らなくなったとき」である別居の時をもとに判断をします。
2 不動産や自動車などの財産分与
でも、よく考えると、自動車などって、放っておいても価格が変わりますし、その価格の変化って夫婦の協力と無関係ですよね。
そう考えると、この財産は、離婚時で考えるべきでしょという考えになりそうです。
自動車ですがこれをみとめた裁判例もあります(さいたま家庭裁判所の平成29年4月28日の決定、東京高等裁判所の平成29年7月20日の決定などでそういう判断がされています)。
でも、不動産や自動車を使っている人がその物をもらう場合、
「使っている人は離婚までその物を使えているんだから、その期間の価値が減っている部分は使っている人が引き受けるべきでしょ、だったら別居時でしょ。」
とも考えられます。
結局ケースバイケースなのかなあと思うのですけど、判断の基準は
・その物にもらおうと思う人の持分があるか(財産分与の対象か)
・その物をあげようとする人が、もらおうとする人に使わせることを了解していたか。
などを考えて、バランスをとりながら判断するべきということなのかなと思います。
財産分与以外にも離婚事件では、争いになりやすい問題があり、判断に迷われることもあると思います。
わからないことがありましたら、お気軽に相談されてください。