DV(ドメスティックバイオレンス)夫と離婚するために
なるべく早めに弁護士へ相談を
DVがある場合、夫婦間の話し合いでは逆上して、さらに強い暴力を振るわれる危険があります。
DVの被害を受けられた方は、決して自分だけで対応しようとされ用とせず、できるだけ早いタイミングで弁護士にどのようにすればよいか相談してください。
弁護士、特にDVなどの荒っぽい案件になれたタイプですと
相手方DV加害者であっても、正確な法的知識やノウハウを持って対応をし、あなたを守ることができます。
1別居する
身の安全を守るためには、別居することが必要です。
※保護命令の制度も、別居していなければ利用できません。下の2に書いたような証拠を集めてから別居するのがベストですが、そのような余裕がない時は、とにかく一刻も早く別居してください。
※別居の際に気をつけておきたいポイント
では、別居の際にどのような点がポイントになるのでしょうか。
①転居先を決めておく
一般的には実家に行く、賃貸物件を借りる方法がありますが、DV被害者の場合、公的シェルターや民間シェルターに身を寄せることもあります。
②加害者に気付かれずに進める
別居に踏み切ることは、DV加害者にとっては、これまで自分の思いどおりだった相手がはむかうのと同じです。
ですので、DV加害者は、全力で被害者が逃げることを妨害します。
別居は気付かれないように注意して進めてください。
③子どもを連れて出る
DV加害者のところに子どもを置いて出ることは、子どもを安全、健全に育てて行く上で悪影響です。
④最低限必要なものは全て持って出る
衣服や子ども用品など、かさばるからと持って出なかったものを後で相手が渡してくれることはありません。DV加害者はいったん別居した妻に対しては容赦しません。時には物を利用して復縁をせまることもありえます。最低限必要なものは持って出ましょう。
⑤当面の生活資金を用意してから家を出る
別居してからしばらくの生活費が必要です。とりあえず親族の援助や自分の預貯金があればそれで生活できますが、そういったものがない場合、当面の生活資金をいくらか家から持ち出すしかありません。相手方は返せと言ってくるかもしれませんが、持ち出したお金は、後の離婚調停などで財産分与の問題で話をすることもできます。自分で言うのが怖ければ弁護士を立てて弁護士から主張することもできます。まずは生活を確保することが必要です。
⑥事前に警察に連絡・相談し、弁護士がついてることを伝えておく
最近は警察はかなりDVの事案に積極的に動いてくれるようにはなってきていますが、他にもたくさん案件がある中で、切迫してないと考える事案は対応が遅れがちになります。
弁護士が入らなければならない事態になっていることを前もって伝えることで、切迫していることを警察にわかってもらえ、より早い効果的な対応をしてもらいやすくなります。
2 DV夫と離婚するための準備
<証拠集め>
DV夫と離婚する為に大事なのは証拠です。
多くのDV加害者は、外面がとてもよく、いざ離婚協議、調停・裁判などになった時は暴力など振るっていないと主張します。そうなると、証拠がないといくらDVの被害を受けていても認めてもえらえません。暴力を振るわれたり、暴言を吐かれた時は、次の事を行ってください。
(①写真を撮る)
暴力でできたあざや傷、壊れたもの、散らかった部屋の写真を撮っておきましょう。特に、怪我については、時間が経って消えてしまう前に撮っておきましょう。(誰の怪我かわかるよう、自分の顔も写るよう撮っておきましょう。)
(②診断書を取る)
大した怪我ではないからといって病院に行かなければ、何も証拠がないのと同じです。必ず病院に行き、診断書を取ってください。
(③警察に相談する)
警察に助けを求め、調書を取ってもらいましょう。
DVの証拠になりますし、保護命令の申立てにも役立ちます。
(④録音アプリを入れたり、日記をつける)
普段の会話で加害者がいう暴言を録音したり、日記をつけておくと、それが証拠になります。また、加害者が謝って来たときは、暴力を認める発言を録音やメール等で保存してください。
※保護命令とは
保護命令の申立てとは、DV防止法に基づく手続きで、地方裁判所から、接近禁止命令や退去命令などを出してもらう手続きです。これによって、必要なものを持って出る余裕がなかった場合など、相手方が退去している間に荷物などを取ることができます。ただ、保護命令を出してもらうためには証拠が必要です。
また、そういった手続きを弁護士が代理することもできます。保護命令が出ることで、接近禁止などの効果があるだけでなく、後の離婚裁判でDVと認められやすく、有利になるのでとても重要な手続きです。
3 DV夫と離婚するための手順
①証拠集め・弁護士に相談
(早い段階で弁護士に相談することで、より良いアドバイスができます)
↓
②別居に向けての準備
(加害者に気付かれないようにしてください!!)
↓
③別居
↓
④行政の手続き
・住民票の移動
※住民票の閲覧制限などの申し出をして、加害者に新住所がわからないようにしましょう
・健康保険の加入
夫の健康保険の被扶養者になっている場合、夫の扶養から外れるために、夫から資格喪失の手続きを取ってもらうことは難しいですが、婦人相談所で、配偶者から暴力を受けている旨の証明書を発行してもらい、保険者に申し出れば可能です。
※夫が国民健康保険なら、住民票を移動すれば自分で健康保険に入れます。
・児童手当の支給
保護命令が発令されていたり、婦人相談所からの「証明書」が発行されている場合、DV被害者が専属的に子の監護を行っており、生計が同一である場合支給されます。
・子どもが就学するために必要な書類を集める
・児童扶養手当の支給
※保護命令が出ている場合、直ちに支給対象となります。
↓
⑤離婚調停・婚姻費用分担調停の申し立て
DV加害者は、勝手に出て行ったのだから生活費を払う必要はないと、一切生活費を払わない人がたくさんいます。できるだけ早く婚姻費用(生活費)分担調停を申し立てることが大事です。また、一時的にも支払いをしようとしない場合、婚姻費用の仮払の仮処分を申し立て、早く生活費を確保することもできます。こういった手続きはご本人が行うには大変です。弁護士に依頼して進めていくことをおすすめします。
解決事例
弁護士がお役に立てること
弁護士にご依頼をいただくことで、相手方との交渉・話し合いや、調停・裁判での主張、必要書類の作成などを全て代理で行います。
離婚の場合、感情がぶつかり、当事者間の話し合いでは解決できないケースも多くありますが、弁護士が間に入ることで、論点を整理し、解決に導くことができます。
また、子どもの問題やお金の問題において、依頼者の方の離婚後の生活がより豊かなものになるように、適正な条件での離婚成立を目指します。
特に、離婚後の生活設計は何よりも重要な視点ですので、それらについてもアドバイスをさせていただきます。
お一人で悩まずに、まずは一度ご相談ください。