モラルハラスメントによるカサンドラ症候群と離婚
「パートナーのすることでとても辛い思いをしているのに、周りは自分が悪いと言う。自分の考えていることは変かもしれない…」
そんなことを考えたりしていませんか?
そんな時、あなたはカサンドラ症候群に陥っているのかもしれません。
カサンドラ症候群とは
カサンドラ症候群とは、自分が問題を抱えているにもかかわらず、周りの人々にそのことを理解してもらえないと感じてしまっている状態のことをいいます。
この症候群は、古代ギリシャ神話のカサンドラにちなんで名付けられたもののです。
カサンドラは、神様から未来を予見する力を授かったのですが、それでも自分の予言が信じられず、悲劇的な運命を辿ることになったという伝説に由来します。
カサンドラ症候群の特徴
カサンドラ症候群に落ちいた人には、
- 一方的な被害妄想
- 周囲の人々からの理解が得られない不満
- 頻繁な自己憐憫的な話題
- 過剰な批判的思考や自己責任感
- 絶望的な気持ちや自殺願望
といったネガティブな症状が起きるとされています。
離婚とカサンドラ症候群
離婚でカサンドラ症候群が問題になる例
離婚の場面で問題になる場合は、例えば、モラハラ夫に悩んでいる人が、自分の悩みや苦しみを話しても周りの人々に理解してもらえず、自分の主張が認められないと感じてしまい、最終的に上のような心理状態に陥ってしまうといった例が考えられます。
モラハラ夫は、社会的地位がきちんとしている場合も多く、外部とのコミュニケーション能力も高いです。 ですので、そのように思うのもしょうがない部分はありますし、
実際に味方であるはずの人から「あなたの方にも悪いところがあるんじゃないの?」を言われてしまうときもありえます。
弊所にご相談をされるご相談者様の中にも、長年にわたってパートナーから暴言や下に見られる行為をされ続けた結果、
自分の判断を否定するようになってしまっている方が多くいらっしゃいます。
モラハラ夫との離婚を考えた時に取るべき行動
他のページにも書いていたことですが、あなたをこのような状態にしているようなモラハラ夫の場合、モラハラ夫は、一般に離婚を望んではいません。
また、直接に話をしたとしても、モラルハラスメントが行われるような関係は、すでに対等な関係ではありません。
モラハラ夫は、「何を馬鹿なことを言っているんだ」「お前一人が生きていけるわけがない」「俺は〇〇してやっているのに」と言った具合に、あくまで上からあなたに関係改善や離婚を思いとどまるように説得するでしょうし、それ以外は話し合いすら拒否することが予想されます。
その中で行うべきことは、
①身の回りを整理して、証拠を収集する
ことと
②第三者に相談すること
と思います。
「①身の回りを整理して、証拠を収集する」ですが、②の相談をするときでも、できる限り資料があった方が話を聞きやすいです。あなたの意見を知ってもらいやすい状態にもあります。
まだ表沙汰になっていない段階の方が証拠を集めやすいというのもあります。
ですので相談をするのと並行して、身の回りの整理と証拠の収集をされた方がいいかなと思います。
「②第三者に相談すること」ですが、上のとおり、直接の話し合いは良い結果にならない場合が多いです。
モラハラ夫と話をする場合、あなたの味方、例えばあなたの親族や友人とともに行うのが賢明です。
また、可能なら弁護士に相談をしながらすすめることをおすすめします。
モラハラ離婚を弁護士に依頼するメリット
モラハラ離婚をする場合、弁護士に依頼をされた方が一般にメリットが大きいと考えています。
まず、あなたがモラハラを行うパートナーと関わる心理的な負担がなくなります。
弁護士に依頼をした場合は、弁護士からパートナーに対して受任通知という書面を送ります。
その受任通知には、依頼者様に直接の連絡をしないように求める要請をしていることから、あなたがパートナーと直接の連絡をする必要はなくなります。
また、弁護士、特に離婚領域を得意とする弁護士の場合、離婚手続の進め方もわかっていますし、モラハラを行う人物の普段の言動も知っていますので、上に書いたようなモラハラをおこなう人の弁舌に振り回されずにあなたの味方でいることができます。
とはいえ、一点だけ注意をしないといけないのは、モラハラを行う人との離婚の場合、一般的に弁護士に依頼をいただいても話し合いで終わらない傾向があります。
ただ、その場合でも、証拠を収集するためのアドバイスをお示ししたり、今後の戦略を練ることができます。
おや?と思ったらお気軽にご相談ください
カサンドラ症候群に至った方は、多くが自分を悪いと思ったり、諦めてしまっているように思います。
しかし、その辛い状態を解決する方法は、必ず存在します。
当事務所にはモラルハラスメントで悩まれている多くの方がご相談にいらっしゃいます。
理不尽な状態におや?と思われたら、一人で悩まずにまずはお気軽にご相談下さい。